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2年11ヶ月問題

トヨタ期間従業員として契約が更新できる最長は2年11ヶ月です。しかし、なんで2年と11ヶ月なのか?最近ようやくうっすらと答えが見えてきました。その前に、更新と再契約の違いを確認。更新は有期労働契約の締結を再度会社と交わす必要がない。口頭で延長の申請の後、「雇入れ通知書」なる、日給等の簡単な記載が手元に届くだけ。一方、再契約はもう一度、有期労働契約を交わし、契約上は新規扱いになる。尚、トヨタ自動車では、新規(再)契約の場合は期間従業員の最高給料の1万300円のままです。人事に確認済み。新規契約扱いなので給料も9,000円が原則なんですが、そこは大人の対応?ってやつです。



実は、この2年11ヶ月問題の答えを解く手がかりになったのは、ある人が書いた記事がきっかけでした。
トヨタ期間従業員に行こう:期間工のお値段(2)

この中で管理人の田原笠山さんは、この2年11ヶ月問題の答えをこう結論づけています。

有期雇用法を改正し期間従業員を3年間という長期に渡って雇用し続けた理由は一体なんだったのでしょうか?「真面目に働き企業の求める基準を満たす期間工」は3年間「社員登用もあるかも」と働き続けて何になるのでしょう。それはトヨタとして結論を出さなければならなかったのでしょうね。その答えが「就職斡旋」ですよ。

これは、どうゆうことかといいますと、有期雇用法が改正されたのは、(実際は労働基準法の契約期間の上限の延長(第14条第1項)なのですが、) この条項が改正されたのが平成15年7月4日(平成16年1月1日から施行)で、日経連の会長が現トヨタ自動車相談役の奥田碩(おくだ ひろし)氏の時代にあたります。奥田氏はこの有期雇用法の改正の旗振り役だったと言われています。なんのための改正か?ずばり、トヨタ自動車(大手製造業)のためです。

はしょっていえば、この改正まで、有期雇用法では期間工の最長契約期間は1年でした。それを今改正で最長3年まで期間の延長を可能した訳です。それまでは、1年契約し、又新たに有期労働契約の締結(簡単に言えば再契約です、更新じゃありません)を何回も繰り返す必要があった。これはトヨタ自動車側、つまり使用者側にとって都合が悪かった。本来は使用者(企業側)は契約社員等の有期雇用者と雇用契約を結ぶ時、契約期間終了後は出来るだけ正社員として雇用に努めなければならないからです。何回も更新する必要があるのなら、それは正社員がすべき仕事とみなされても仕方がないからです。だったら、正社員の枠をもっと増やすのが、社会的義務でしょうという訳です。「人件費節約のため」の法律ではないのです、本来は。高度な知識の持ち主、例えば年収1億で博士号を所有する人たちを、あるプロジェクトを完成させるまで、企業が期間限定で雇用するための法律と解釈したほうが、この有期労働契約は法的意義を理解しやすい。(ちなみに派遣社員も入ります、派遣社員の場合は、直接契約をしなさい。つまり、契約社員でもいいという訳です。派遣法にはそう書かれています。)

が、実際はこの有期労働者制度で最大の恩恵を受けていたのは、何を隠そうトヨタ自動車を始めとする大手製造業だった。現場の人間を安価で調達する手段として。

「期間従業員制度はぜひ今後も活用したい。しかし、トヨタ自動車はかつてないほど地球的企業として注目されている。社会にたいしても範を示す必要もある。しかし、現行の法律では現状に合っていない、契約更新の回数が多いと有期雇用の悪用だと言われかねない。両方を満たす必要がある。だったら、現法律を改正させて、3年にしよう。」

当時はこんな心境だったと思います、奥田日経連会長。

3年にしておけばとりあえず再契約の必要回数が減る。2回の再契約で6年は同じ人間を雇える。そんな改正だったのです、真相は。まあ、労働者側にも雇用期間の延長促進という面では多少恩恵があるもしれませんが。あくまで企業側の論理で改正された訳です。

なので、田原笠山さんの結論に繋がります。トヨタ自動車としては、今回の改正で何か労働者側にもトヨタとして結論を出さなければならなかったのでしょうね。その答えが「就職斡旋」ですよ。

この「就職斡旋」の指すところは、
トヨタ期間従業員に行こう:技能水準が高い期間従業員に詳細が書いてあります。

要は「トヨタ自動車では、定員オーバーで正社員登用はこれ以上無理だけど、関連子会社(セントラル自動車とか豊田鉄工とか)でも技能優秀な社員をほしがってるから、どう?就職斡旋するよ、シニア期間工のみなさん。」って感じでしょう。

なんだたった年間1000人でギブアップかよ、地球規模のトヨタが。先日、アパレルメーカーの「ワールド」が契約社員、アルバイト店員5000人を正社員にするといってたぞ。トヨタはたった1000人でギブアップかよ。一太郎幻滅。

3年先に見えるものが子会社への就職斡旋か?

しかし、ここで素朴な疑問が生じます。あれ、トヨタ自動車では、2年11ヶ月じゃなかった?なんで3年でいいはずなのにワザワザ端数の2年と11ヶ月なのか?

こんだけ、引っ張って私のいいたいことです。

なぜ、トヨタ自動車の最長契約は3年ではなく、2年と11ヶ月なのか?

最初は数字のいたずらかと思っていたんです、私も。ほら数え年とかあるでしょう?あれみたいな。しかしどうやら、真相は違うみたいです。トヨタ自動車は「就職斡旋」すら放棄しているのでは?と連合ホームページの
有期契約労働者(連合案)を発見し、思うようになりました。

法改正当時、当然労働者側の立場である連合案も議論の対象になったと思います。連合案の最大の特徴は、契約期間を少しでも長く設定することでした。

(連合案)
期間の定めのある労働契約は、契約期間の上限が1年となっていますが、更新が必要な場合も想定されますので、1回に限り、更新することができます。また、これらの規制に違反して締結された労働契約は、期間の定めのない労働契約として締結されたものとみなされます。
 また、3年を期間の上限とする期間の定めのある労働契約についても、同様に、1回に限り、更新することができます。ただし、この場合の更新後の契約期間の上限は1年とし、したがって、契約期間は最長4年となります。

ちなみに、期間の定めのない労働契約とは、正社員での雇用を指します。

(現在の法律)
(契約期間についての配慮)
第4条
 使用者は、有期労働契約(当該契約を1回以上更新し、かつ、雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限る。)を更新しようとする場合においては、当該契約の実態及び当該労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするよう努めなければならない。

ほら、両者を比べてみると赤線の部分「ただし、この場合の更新後の契約期間の上限は1年とし、したがって、契約期間は最長4年となります」がないでしょう?「努めなければならない」に変わっています。

現行法でも、努める義務がある3年契約。なので2年11ヶ月と考えられることが出来ないでしょうか?

さらに、こうゆう連合案になる可能性もあった、はず。3年終了後、もう一回だけ1年延長可能にして、期間工の契約最長期間が4年になったかもしれない。今後も連合(労働者)側も法改正で取り組むといっている。それはトヨタにとって都合が悪い。なぜか?今度こそは4年満期終了後には正社員する義務が生じるからです。だって、4年ですよ。4年。4年間も契約社員として雇っておいて、簡単にポイはできないでしょう、日経連会長輩出企業の筆頭になったトヨタ自動車としては。


私が思うに、11ヶ月という端数は、簡単に正社員に登用する道は作らないぞというトヨタの緻密な計算の裏返しだと思うのです。まして4年なんて、連合案は却下だという意思表示だとも思えてなりません。社員登用で問題になるのは、満了終了後の話です。2年11ヶ月では、1ヶ月足りません。一連の流れをみていると、この記事の出所、真意も疑わしくなってきます。

トヨタなど自動車各社が品質管理を強化

なんせ、企業側の日経さんだもんなぁ。リップサービスじゃないの?と思います。

だんだん、見えたきた~~~

なぜ、期間工は期間延長をくりかえしても、自己都合扱いにならないのか?という問題。

投稿者 山田一太郎 : 2006年11月25日 21:02



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